お知らせ

お知らせ内容

1月24日 メッセージより

2021/01/25(月)

2021124日メッセージ「すぐそばにある福の音」より

牛田匡牧師

聖書 ローマの信徒への手紙 1817

 教会では「福音(ふくいん)(良い知らせ)」という言葉をよく聞きますが、元々は戦争の勝利を伝える言葉だったそうです。それが後にローマ帝国の初代皇帝アウグストゥスは「神なるアウグストゥスの誕生の日は、この世における福音の始まりである」と碑に刻ませました。イエス様やパウロが生きた時代の「福音」とは、そんな軍事力による帝国支配を意味していたわけです。そのような時代に、パウロは全く別の「イエス・キリストの福音」を告げ知らせました。

 今回の聖書「ローマの信徒への手紙」は、パウロが、まだ訪問したことのないローマの教会に対して、書き送った手紙です。パウロは私には全ての人に福音を告げ知らせる責任がある、ぜひローマにいるあなたがたにも告げ知らせたいと言っていますが、彼がそれだけ伝えたいと願っていた福音とは一体何だったのでしょうか。歴史の中を歩まれたイエス様が示された「福音」の中心とは、「いつでも神が共にいて下さるということ」と、「無条件で徹底的な愛とゆるし」の2つだっただろうと考えられます(青野太潮)。そして福音書に記されているイエス様の言葉と振る舞いは、一貫してその2つをその身をもって告げ知らせる歩みでした。神様の正義は、私たち自身が神様が共にいて下さり、赦し支えて下さっているという福音に信頼して、低みに立って歩みを起こせば起こすほど、身をもって明らかにされてくるとパウロは記しています(本田哲郎訳)。そこにこそ神様と共に生きる、新しい命、生活があるということなのでしょう。

 さてイエス様やパウロから約2000年を経た今、私たちにとっての福音とは何でしょうか。コロナで苦しんでいる世界中の人々、とくに医療現場で働いておられる医療従事者の方々にとっては、ワクチンや治療薬が福音なのかもしれません。しかし、神様は人間の思いや価値観を越えて働かれます。イエス様の十字架とその死からの引き起こしに代表されるように、人の目から見れば、無力で、愚か、恥でしかないものを、強く、賢く、救いへと変えられます。福音はどこにあるのか。福音はすぐそばにある……。いつも私たちと共にいて下さって、赦し支えて下さっている神様の働き。人が目を注がないような場所にこそ現われる神様の福音。そんな「福の音」に信頼して、私たちも神様と共に低みから歩みを起こす者へと、変えられ、導かれて行きます。

 

 

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