お知らせ

お知らせ内容

4月25日 メッセージより

2021/04/25(日)

2021425日メッセージ「愛・死・会い、愛を知る」より

岡嶋千宙伝道師

聖書 ヨハネの手紙Ⅰ 31624

 この手紙が執筆された背景には、手紙の著者ヨハネが属していた共同体の内部に生じていた混乱や争いがありました。争点は、「自分たちはなぜ共に生きていくのか」、「自分たちを一つの教会として結びつけるものは何なのか」、という教会共同体の根幹に関わる問いでした。彼らが自分たちの人間関係の礎として据えたもの、それは、「肉となって来られ」(410)、「わたしたちのために命を捨てた」(316)イエスでした。一人の人として、生身の身体を持って、人の間に生き、人の間で死んでいったイエス。死を迎えたとしても衰えないイエスの生き様、いや、死を通したからこそ、いっそう鮮明にされるイエスの命の軌跡。その歩みのいたるところにちりばめられた愛の実践。死を含めた、命の全行程を生き抜いたイエスの姿に、愛が体現されている。著者ヨハネは、そう確信し、この手紙を記したのです。

 317には、「世の富を持ちながら、きょうだいが貧しく困っているのを見て、憐れみの心を閉ざす者があれば、どうして神の愛がその人の内にとどまるでしょう」とあります。この言葉は、ヨハネ教会と対立する者たちを批判して語られたものですが、ここでの著者ヨハネの真意は、イエスが自らの生き様を通して示した愛の本質を伝えることにあったはずです。困っている人、生きるために何かを必要としている人、弱さを覚えている人、重荷を負っている人、そういう人たちに寄り添う、心を開く、共にいる、共に生きる。異国の人であっても、病気を患った人であっても、社会から見放された人であっても、自分と違う人であったとしても。それが、イエスに愛の実践、愛の業。

 「互いに愛し合おう。言葉や口先だけではなく行いと真実とによって」(311318323)。現代に生きる私たちは、著者ヨハネ、神、そしてイエスからの招きのメッセージを受け取っています。イエスが、自らの命を捨てるまで貫き通して、示してくれた愛。その愛を、今、私たちが、私たちの置かれている環境で、私たちの作り上げる交わりの中で、この身体で、生身の肉で体現していく。弱いから排除するのではなく、逃げ出すのでもなく、それぞれの弱さを補っていく。違うから恐れて遠ざけるのではなく、恐さの中に閉じこもるのでもなく、心を開いて各々の痛みに寄り添っていく。愛を実践していく。一人ではなく、互いに愛し合う。友人とともに、隣人とともに、仲間とともに、互いによく見て、良く聞いて、よく触れて、愛のありかを探り出していく。つながること、集うこと、共にいることが難しくされる、今この時期だからこそ。イエスが、その命を通して示した愛の形を、私たちが生きるために必要な愛を、もう一度、大切にしていきたいと思うのです。

〒581-0072 大阪府八尾市久宝寺6丁目7-10

TEL:072-992-2131 FAX:072-992-2135

【郵便振替】00980-5-212130「日本基督教団久宝教会」

〒581-0072 大阪府八尾市久宝寺6丁目7-10

TEL:072-992-2131 FAX:072-992-2135