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12月19日 メッセージより

2021/12/20(月)

2021年12月19日 クリスマス(降誕日)礼拝メッセージ「言から肉へ 思いから行いへ」より

岡嶋千宙伝道師

聖書 ヨハネによる福音書 11-14節

 ヨハネ福音書11-14節。クリスマスをイメージして読むと驚きます。ページェント(降誕劇)に親しんだ人ならよく知っている人物たち、イエスの母マリア、父ヨセフ、羊飼いや東方から訪れる学者など、その誰も登場しません。なにより、主人公であるイエスの名前すら記されていません。「どこがクリスマスなのだ!」と言いたくなります。淡々としていて、具体性に欠けていて、実に味気ない。

 それでも、万物の初めから神と共にあった(ことば)であるイエスが、「肉(=体を持った人間)となってわたしたちの間に宿った(=隣に引っ越して来た)」(14節)と言われ、確かに、神の子イエスがこの世に生まれたことが描かれています。だとしたら、なぜヨハネ福音書の著者は、こんなにも味気ない表現を選んだのでしょう。理由の一つは、イエス誕生の場面の有り様を、あるいは誕生のもたらす意味を、一人ひとりに、自由に豊かに想像してもらうため、ということにあるように思えます。この記事に触れる人たちの創造性を刺激し、各自が今置かれている状況下で感じ、考え、思うことを様々に、自由に引き出す。そして、一人ひとりの「わたし」がイエス誕生の意味を「自分ごと」として振り返り、思い起こすための道筋を整える。

 整えられた道の先にあるのは、イエスとの出会いであり、その出会いを介して与えられる、または新しくされる、隣人たちとの出会いです。イエスの誕生を契機にして、身体をもって生きている人間同士が出会い、共に生きていくことの連鎖が、脈々と続けられてきました。イエスの誕生に触れた個々の「わたし」が、自分に与えられた出会いの意味を問い直し、イエスを中心とした新しい関係の中で生き始めていくのです。肉を持つ存在である「わたし」と「あなた」が共に生きていく。お互いに、弱さを抱え、似ているところも、異なるところもたくさん持ち合わせる者同士が共に生きていく。その喜びだけではなく、煩わしさをも、人として体現した神イエスが、生身の身体でこの世に生きたという事実。イエスを真ん中に据えて、すでに与えられている出会いをもう一度とらえ直し、新しい出会いを迎え入れる。

 クリスマスはその思いを新たにされる日。イエスの誕生に触れ直し、喜びを共に味わうクリスマス。今日から始まる一日一日。与えられた命、与えられた出会いの中で、互いの手を取り、イエスに導かれて、共に歩み、共に生きていきましょう。

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