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2月20日 メッセージより

2022/02/22(火)
2022年2月20日メッセージ「中東リベンジャーズ」より
岡嶋千宙伝道師
聖書 創世記 45章 3-15節
 約20年ぶりに再会するヨセフと兄弟たち。一方は、カナンの地に住む遊牧の民。他方はエジプトの地に住む王国の役人。彼らが離ればなれになったのは、今はエジプトにいるヨセフが、家族の中で変わり者だったから。口が軽くて、自分たちを侮辱するようなことを平気でいい、男らしさの欠片もなく女々しくて、それなのに父親には一番に愛されている弟ヨセフ。家族の者たちが大切にしている価値観には相容れない存在。家族の平和な生活環境を崩しかねない存在。だから、兄たちはヨセフを「憎み」(37章4-5節)、彼を家から追い出した。
 あれから20数年。過去の出来事を含めて、自分の身を明かすヨセフ。遠い昔にいなくなって、死んだも同然と思っていた弟ヨセフを前にして、兄弟たちは「驚きのあまり答えることができなかった」(3節)。彼らにとっては、とっくに忘れていたヨセフを追い出したあの日の出来事。けれども、ヨセフにとっては、決して忘れられないその日。最も近しい人たちに憎まれ追い出された記憶は、今も生々しく、今でもうずく生身の傷として深く刻まれている。それでも……。ヨセフは語りかける。兄弟たちと、家族と、共に生きることを望んで。
 「わたしは生きている。あなたも生きている。わたしは願う。わたしとあなたが、これからは共に生きていくことを。」近親同族の人たちに囲まれた故郷カナンで、変わり者として扱われ、家族から嫌われて追い出された経験と痛みを持つヨセフ。同時に、追い出されて行き着いた先のエジプトで、故郷では味わうことのできなかった解放の喜びを感じながらも、異国の地で生きるために、エジプトの役人としての仮面をかぶり続けなければならないことの息苦しさを感じていたヨセフ。排除された者として、変わり者として、よそ者としての経験と、その経験からの痛みや苦しみや不自由さを知っているヨセフだからこそ、口にすることのできた未来への提案。
 ヨセフと同じように嫌われて、家族から、共同体から、社会から、世界から排除された方が、今、わたしたちのもとに近寄り、そのヨセフと同じ言葉を投げ掛けています。イエスからの語りかけ。「共に生きよう。」その語りかけをどう受け止め、どう生きていくのか。一人一人が今、問われています。

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