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7月12日 メッセージより

2020/07/13(月)

2020712 久宝教会 部落解放祈りの日(聖霊降臨節第7主日)礼拝

 メッセージ「光は一隅いちぐうより、力は一人ひとりより」より

牛田 牧師

聖書 使徒言行録 936節-43

 「光は一隅より、力は一人より」(坂村真民)。世界に朝をもたらす光も、始めは暗闇に一隅から射してくる小さな光に過ぎません。同じように社会を動かす大きなうねりも、最初は一人から始まっています。全国各地で起こった部落解放運動もまた一人一人の小さな光、小さな立ち上がりの一歩から始まっていたのでしょう。イエス様の歩みも、そしてまた今回のタビタの物語もまた、そのような暗闇の中に起こった小さな一人の物語でした。

 このタビタは「女の弟子」だったとありますが、この言葉はこの箇所にしか出て来ません。福音書にはたくさんの女性たちがイエス様と行動を共にしたと記されていますし、最初期のキリスト教共同体には何人もの女性リーダーたちがいたと考えられています。ここで「女の弟子」と記されているタビタは、ヤッファのキリスト教共同体にとって重要な人物だったのでしょう。彼女の周りには多くの人々が集まっていましたが、とりわけ寡婦となった女性たちが共にいたようです。当時の社会の中では、女性は夫の所有物の一つであり、先に夫を亡くしたやもめたちは、社会的な地位も財産も失い、すぐに生活に困窮しました。タビタはそのような女性たちと一緒に数々の下着や上着を作っていました。現代の言葉で言うと、洋裁やミシンの技術を教えて、暮らしていけるように職業訓練していったということでしょう。彼女たちにとってタビタは命の恩人であり、掛け替えのない存在だったのだと思います。そのタビタが病気のために亡くなった所に、ペトロは呼ばれて来て祈り、タビタは再び立ち上がりました。この生き返りの物語は、社会の底辺で小さくされている人々の所に、神様の力が紛れもなく働かれる。そして、悲しみに打ちひしがれていた人々は、再び立ち上がることが出来たということを私たちに教えてくれます。

 先週から、全国各地で大雨が続き、九州や岐阜、長野でも大きな被害が出ています。今後も更に被害が拡がることも心配されています。家族や家を失った方々は今、深い悲しみの中におられることでしょう。そのような中、早速現地に行かれた方々もおられます。またこれまでに培われて来た様々なネットワークを通じて、必要な物資を届けておられる方々もおられます。一人一人の思いや行動は小さくても、それらは決してゼロではありません。「微力であっても、無力ではない」、そこに共に神様が働いて下さっていることを信じて、私たちも連なって行きたいと思います「光は一隅より、力は一人より」。部落差別も、性差別や人種差別も、まだこの社会から無くなっていません。しかし、それらの暗闇を照らす光は、世の片隅、一隅から射して来ます。解放をもたらす力は一人から始まります。私たちは今日もそれぞれの場と業において、弱く小さくされている人たちと共におられる神様に向かって、用いられていきます。

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