お知らせ

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8月16日 メッセージより

2020/08/16(日)

2020816日久宝教会 聖霊降臨節第12主日礼拝

メッセージ「野の花のように生きる」より

牛田 牧師

聖書 ヨハネの手紙I 515 

 今回の聖書には「神の(いまし)め((おきて))」や「神を愛する(自分のように大切にする)」「世に勝つ」などのキーワードが登場しています。「戒め(掟)」と聞いて、すぐに連想されるのは、「私があなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。これが私の戒めである」(ヨハネ1512)でしょう。そして「ヨハネの手紙I5章の直前には「目の前にいる仲間を大切にしない人は、見たことのない神を大切にすることは出来きません。神を大切にする人は、自分の仲間をも大切にするのです」(42021)ともあり、同じことが「(『互いに大切にし合いなさい』という)戒めを守ること、これが神を大切にすることです」(53)と言い換えられています。更に「その戒めは難しいものではありません。(何故なら)神から生まれたものは皆、世に勝つからです。世に勝つ勝利(とは何か)、それは私たちの信仰です」(34)と続いています。

 しかし、ここで言われている「世に勝つ」とは一体何でしょうか。それは「特別な信仰によって世間に打ち勝つ」ことではなく、「神様に信頼して行動を起こした結果として、世間の価値観に流されたりしないでいることがある」ということではないかと思います。言い換えれば、どこに正解があるのか分からないような世の中にあっても、そんな世間の価値観の中で右往左往したり、諦めたりするのではなく、まずは目の前にいる大切にすべき一人一人にしっかりと向き合っていく。そこにしか、本当の活路はない、ということではないでしょうか。

 例年であれば「お盆休み」と言われるこの時期も、今年は毎日コロナの新規感染者数が「増えた減った」の話でもちきりでした。旅行や帰省の是非を巡ってすら、何が正しいのかが分かりませんでした。政治が混迷し、皆が不安や恐怖に怯え出すと、ファシズムが抬頭(たいとう)します。一人一人の不安を覆い隠すために、分かりやすい共通の敵を作り出す……。ナチスによるユダヤ人の大量虐殺も、第二次世界大戦も、その論理で起こりました。そして今も、世界各地で戦争が続けられ、多くの血が流されています。

 現在、世界を席巻(せっけん)しているコロナ()、まだまだ収束しないでしょう。この混迷する世界の中で、どうやって生き残っていくか、どうやって命を使っていくかが私たちには問われています。そしてまた、このコロナ禍をどのようなものとして意味付けて行くかも、一人一人に委ねられています。世間の価値観に流されない秘訣は、身近な人を大切にする歩みの中にある……。道端に咲く野の花のように、踏み付けられても、ちぎられても、しぶとく根強く生き続け、太陽の方を向き続ける……。コロナ禍を生きる私たちの歩む道は、そこにあるのではないでしょうか。多くの困難や不安もありますが、命を与えてくださっている神様に信頼して、野の花のように生きる、身近な人を大切にする……、その歩みへと、今日もまた私たちは共にいて下さる神様に伴われて歩み出して行きます。

〒581-0072 大阪府八尾市久宝寺6丁目7-10

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