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10月11日 メッセージより

2020/10/12(月)
2020年10月11日メッセージ「荒野で神に会いに行こうや」より
岡嶋千宙伝道師(向島伝道所)
聖書 出エジプト記    17章1-7節
   マタイによる福音書 4章1-2節
 400年間にもおよぶ奴隷生活から解放され、エジプトを脱出したイスラエルの民が、荒れ野をさまよい経験した喉の渇き。強烈な渇きに絶えきれず、民はモーセに不平をぶつけました。「飲み水をくれ!」「わたしたちを殺す気なのか!」「主なる神はわたしたちの間にいるのか!」
 日本語では「不平を言う」と訳されている言葉は、ヘブライ語のもとの意味を考えると、「不平を他者にぶつけることによって、その相手と共に、立ち止まり、見返す」という意味合いがあると考えられます。荒れ野での過酷な環境で、渇きの苦しみを体験した民が、それでもなお、自分たちをエジプトから救い出した神様を信じて進もうともがく姿。神様を信じながら、なお体の弱さを痛感し、自分たちの存在意義を、神の民としてのアイデンティティを問い直そうとしています。
 全く同じとは言えないまでも、今を生きるわたしたちも、人生に降りかかる苦難を前にして渇きを覚えます。新型コロナウィルス感染拡大により、世界中に多くの重篤者・死者が出ている現代。貧富の差が拡大し、今日を生きることすらままならない人たちが多くいる世界。自国優先主義のもとで他者を愛するのではなく、競い争うことで自己利益を確保することが当然とされる世の中。信仰という標識を掲げながら他者の痛みを無視してまでも不明瞭で不条理な一致を迫る宗教界。社会の、政治の、宗教の、信仰の危機といえる今、この時。わたしたちも、問いたくなります。
 「ここはどこだ?」「わたし(たち)はいったい何者なのだ?」「この場所でわたし(たち)は何をしているのか?」「神を信じるものとして、このままでよいのか?」「このあり方で良いのか?」「この教会の姿でいいのか?」イスラエルの民の、そして、わたしたちの声は、確かに聴かれています。伝道を始めてから死に至るまで、幾度も見知らぬ土地に足を踏み入れ、荒れ野をさまよい、命の道のりにおいて、渇きを覚え続けられたイエス様。そのイエス様が、わたしたちと同じくこの問いを発し、そして、わたしたちの問いを発する声を聴いてくれています。
 その問いにどんな答えが与えられるのかが重要なのではありません。「誰に」向けられるのかが重要なのです。わたしたちは、絶望することはありません。むしろ、堂々とぶつけるのです。神様の言であり、わたしたちの間に、確かに生きてくださっているイエス様に。神様の言であるイエス様が、わたしたちの声を聴き、その声に応じてくれるのですから。

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