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12月6日 メッセージより

2020/12/07(月)
2020年12月6日メッセージ「どうしてこんな所に生まれたのか」より
牛田匡牧師
聖書 マタイによる福音書 13章53-58節

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、大阪では「医療非常事態宣言」が出されています。そんなコロナ禍の中、クリスマスを待ち望むアドベントを過ごしているということは、どのような意味があるでしょうか。
 今回の聖書のお話は、イエス様が「ナザレで受け入れられない」という小見出しが付けられている箇所でした。イエス様の生まれ育った故郷のナザレですから、村の人々はイエス様の知恵と力に驚きつつも、その幼少期もまた家族もよく知っていたために信頼することが出来なかった、という人々の不信仰の話として読めます。ですが、本当にそうでしょうか。この話からはむしろ、イエス様が故郷で差別されていたということが分かります。「大工」という訳も、原義は「木挽(こび)き・石切り」であり、イエス様自身が日々に「日雇い仕事」に従事していたと考えると、高級品であった木材の木工職人というよりは、石のブロックを作っていた石工職人と考える方がふさわしいように思います。そしてそれは人々から忌避さられていた仕事でした。また当時は父親の名前を出して「〇〇の息子」と表わすのが通例だったにも拘(かか)わらずに、「大工の息子で、母親はマリア」と記されています。それはイエス様の生まれが普通じゃない、と周囲から見られていたということです。何故なら、マリアはヨセフと結婚をする前からイエス様を身ごもったからであり、周囲からはヨセフともども奇異の目で眺められ、差別されていました。
 「どうしてこんな所に生まれたのか」。現代でもなお、この問いを生涯問い続けている被差別の方々はおられます。また今日で言えば「どうしてコロナになったのか」「どうしてこんな不幸、苦難に遭うのか」という問いも同じでしょう。そしてそれはイエス様についてもまた同様でした。クリスマスに生まれた神の子、救い主は、どうしてこんな所に生まれたのか……。その答えは一つではありません。毎年迎えるクリスマス、毎年読み返すクリスマス物語を通して、私たちは救い主、神の子の誕生物語と、毎回出会い直します。イエス様はどうして差別され虐げられた存在として生まれたのか。
 神様は全ての所にいつでもおられると共に、弱く小さくされている人たちを優先して選ばれるお方です。私たちはそこに連なっているでしょうか。コロナ禍で迎えるクリスマス、私たちは今どこに誰と共にいるのか。飼い葉桶の中に眠るイエス様と、どこで出会おうとしているのか。神様に導かれながら、このアドベントの時期を過ごしていきます。

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