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12月20日 クリスマス礼拝メッセージより

2020/12/21(月)
2020年12月20日 クリスマス礼拝メッセージ「カナリアたちのクリスマス」より
牛田匡牧師
聖書 ルカによる福音書 2章1-20節

 昔、炭鉱夫たちは炭鉱を掘り進む際に、有毒ガスに敏感なカナリアを連れて行き、その様子がおかしくなると急いで避難したそうです。社会という巨大な船が舵取りを誤る時、その歪(ひず)みはまず社会の中で小さくされている人たちの上に重くのしかかります。そのカナリアたちの悲鳴は、社会に対する警鐘です。社会の歪(ひず)みの中で抑圧され、力を奪われているカナリアたち。今から約2000年前にパレスチナの地で起こったクリスマスの出来事は、そんなカナリアたちの中で起こった出来事でした。
 今回の聖書のお話は、イエス様の誕生場面です。ベツレヘムはヨセフの親類縁者がいたはずの故郷の町でしたが、彼らには居場所が与えられず、初産婦のマリアは孤独と不安の中、家畜小屋で初めての出産に臨みました。続いて登場する羊飼いたちも、危険と隣り合わせの被差別の貧しい人たちでした。「神様からも、人々からも見放されている」と考えられ、また自分たちでもそう思い込んでいた人たちの所に、救い主誕生の知らせが、最初に告げられました。そして彼らは導かれるままに、飼い葉桶に寝ている乳飲み子を探し当て、喜びにあふれて再び荒野へと戻って行きました。日の当たらない社会の片隅で、抑圧され差別され、社会の犠牲とされていたカナリアたちの間に起きた出来事、それがイエス・キリストの誕生でした。
 私たちが、誰かの誕生日をお祝いするのは、その人を大切に思っているということの表現、「生まれて来てくれてありがとう」「あなたと出会えて嬉しい」ということの表現です。ではイエス様のお誕生をお祝いするこのクリスマスを、私たちはどうしてお祝いするのでしょうか。クリスマスにお生まれになったイエス様が、どうして私たちにとって大切なのか。そのことを改めて考え直したいと思います。今年はコロナ禍の中で初めて迎えるクリスマスです。カナリアたちのクリスマス…。コロナ禍の中、とても「クリスマスおめでとう」とは言えない、言いたくない人たちもいることでしょう。ですが、そんな人たちの間に、イエス様はお生まれになりました。そのことを確かめるために、私たちも羊飼いたちのようにベツレヘムの家畜小屋へ行きましょう。今しんどい思いをされている人、カナリアの隣に寄り添わせて頂く時、私たちはそこに、飼い葉桶に眠る乳飲み子を見つけるのだと思います。「この地上に平和がありますように」、そのために私たちは今日もこれからも、神様によって導かれていきます。

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