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1月3日 新年礼拝メッセージより

2021/01/04(月)
2021年1月3日 新年礼拝メッセージ「帰るべき故郷」より
牛田匡牧師
聖書 マタイによる福音書 2章13-23節
 コロナ禍での年末年始を、皆様はどのようにお過ごしになられているでしょうか。この年末年始は多くの人が故郷への帰省を控え、帰省ラッシュもなかったようです。これまでは当たり前だと思っていた故郷で気の置けない身内と一緒に過ごすというのは、今の言葉で言うならば「マスクを外して息ができる」「素顔のままで会話や食事ができる」ということだったのでしょう。マスクを外して素顔でいられるような故郷を、今、私たちは持てているでしょうか。
 今回の聖書のお話は、クリスマスに生まれたイエス様の所に、東方から博士(星占い師)たちが贈り物を持ってやって来たというお話の続きでした。当時ユダヤを支配していたヘロデ王は、彼らにベツレヘムに生まれた救い主を見つけたら報告するようにと伝えていましたが、彼らはイエス様に贈り物を献げた後、ヘロデの所には戻らずに東方へと帰って行きました。それを知ったヘロデ王は怒り、ベツレヘムとその周辺一帯にいる二歳以下の男の子を一人残らず殺しましたが、イエス様はみ使いのお告げを受けた両親によってエジプトに逃れ、難を免れました。ただし、歴史学的にはこのような幼児虐殺はこの福音書以外に記録がなく、古代イスラエルの民をエジプトから解放したリーダーのモーセになぞらえて救い主イエス様を描こうとしたマタイの創作だろうと考えられています。しかし、このエジプトへの逃避行が、たとえ創作であったとしても、生まれたばかりの乳飲み子を抱えた若い夫婦が、異国でどのような難民生活を送っていたかを想像することは、決して無駄ではありません。着の身着のままで遠くエジプトまで逃れて来た。いつ故郷のナザレへ帰ることができるのかも分からない。けれどもいつか故郷に戻れる日が来ることを信じて、諦めないで、今を生きる。彼らを支えたのは、「インマヌエル(神は私たちと共におられる)」という神様の約束への信頼と、自分たちには「帰るべき故郷がある」という信念だったのかもしれません。
 2021年を迎えた今も、世界は病禍や戦禍に嘆き、各地で格差と貧困、差別が深刻化して来ています。私たちが「帰るべき故郷」「帰ることのできる故郷」、マスクを外して大きく深呼吸できる場所、飾らずにありのままの自分でいられる場所は、一体どこにあるのでしょうか。神様から命を与えられ、今日を生かされている私たちには一人一人、そのような帰るべき故郷がある。そこで私たちの名前を呼んで下さっている方がいる。そのことを心に留めて、この年もまた神様と共にあって私たちは歩みを進めて行きます。

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