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4月4日 イースター礼拝メッセージより

2021/04/05(月)
2021年4月4日 イースター(復活日)礼拝メッセージ「涙の後ろから呼ぶ声がある」より
牛田匡牧師
聖書 ヨハネによる福音書 20 章 1-18 節

 今回のお話は、イエス様が十字架に架けられて殺され、お墓に埋葬されてから、安息日が明けた3日目の朝早くに、弟子の一人マグダラのマリアが急いでお墓に出かけていくと、お墓の入口をふさいであった石が取りのけられていて遺体もなくなっていた、というお話です。マリアはすぐに仲間たちにも知らせました。「誰かが主を墓から取り去りました。どこに置いたのか、分かりません」。マリアは墓の外に立って泣いていました。しかし、そこに復活されたイエス様は現れました。マリアの後ろには園の番人、園丁と思しき人がいました。そしてその人が彼女の名前を呼ばれると、彼女はその人こそ復活されたイエス様だったということに気付いたのでした。「園の番人」や「園丁」というのは、墓穴を掘り、遺体を移動させたりして直接「死のケガレ」に触れる仕事ですから、汚れた被差別の労働者でした。復活のイエス様は、光り輝く姿でマリアの前に現れたのではなく、まさかそんな姿で現れるはずがない、と思うような園の番人として、彼女の後ろから現れ、彼女の名を呼ばれました。
 「復活」とは、死んだ肉体の蘇生、単なる生き返りではありません。そうでなければ、マリアは最愛のイエス様の顔を、全く見ず知らずのおじさん、園の番人と見間違えるはずがありません。このお話は、死から引き起こされたイエス様は、まさかそんな所に、そんな姿で現れるはずがない、と私たちが思うような所に、私たちの予想を越えた形で現れるということを、私たちに伝えてくれています。そして復活されたイエス様は、生前の肉体を離れ、ありとあらゆる人の中に、あらゆる人の顔と手を介して、今も生きているのだと思います。イエス・キリストの十字架による罪の贖いとは、人類の持つ抑圧や差別、暴力など、あらゆる「命を終わらせるもの」「死」の力に対して、「死に打ち勝つ力」があり、私たちは「死を越える命(永遠の命)」を生きることができる、ということなのではないでしょうか。
 この世界には今も暴力が蔓延しています。ミャンマーではクーデターを起こした国軍によって、2月からすでに550人以上の方が殺されたと報じられています。神なんてどこにも見出せないような現実の中で、泣き叫ぶ人々の後ろから呼ぶ声があるはずです。強大な暴力の中でも、諦めることなく立ち上がり続け、声を上げ続けている方々がおられます。それは復活のイエス様が、その隣におられるからではないでしょうか。私たちは涙の後ろから呼びかけるその小さな声に耳を傾けられ、その声に応える者でありたいと願います。

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