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10月3日 メッセージより

2021/10/05(火)
2021年10月3日メッセージ「後の者が先になり、先の者が後になる」より
牛田匡牧師
聖書 マタイによる福音書 21章 28-32節
 今回のたとえ話の筋は簡単です。二人の息子を持つ父親が、それぞれに「ぶどう園に行って働きなさい」と言ったが、一人は「いやです」と答えたものの、やっぱり考え直して後で仕事をし、もう一人は「はい」と答えたものの、結局は仕事をしなかった、というものです。イスラエルの国の中でも、辺境の地として差別されていたガリラヤ地方で、その地に住む貧しい群衆たちに対して語られたイエス様のたとえ話の多くは、彼らの日々の生活体験、労働の実感を伴うような分かりやすいお話でした。しかし、今回のこの話が語られた相手は、エルサレムの都の神殿の境内の中にいた「祭司長や民の長老たち」(21:23)という指導者たちでした。イエス様は初めから建て前だけで実行を伴わない指導者たちへの皮肉として、このたとえ話を語られたのでした。
 さて、このお話は、現代の私たちに何を伝えているでしょうか。昨年から続くコロナ禍の中、共に集まるということが当たり前にできなくなった私たちは、共に集えるとことが大きな恵みであるということに、改めて気付かされました。しかし、こうして教会に集い、教会につながっている人たちだけにしか、神様の恵み、祝福はないのでしょうか。もちろん、そんなことはありません。もしもそのように感じていたら、それは誤解です。「自分たちこそ正しい」と信じていた民の指導者たちが、イエス様から批判されたように、自分たちは先にいると思い込んでいるだけで、教会も実は後になっているかもしれせん。
 「後の者が先になり、先の者が後になる」……。福音書の中には、何度かこの言葉が異なった文脈で登場します。恐らくイエス様が言われたこの印象的な言葉が、多くの人々に記憶され、折々に思い出されて記録されたのだと思います。私たちは自分たちが「先の者」であると思い上がることのないように、また「先の者」になることに固執することがないようでいたいと思います。今日も、それぞれの場にありながら、身近におられる隣の人を大切にすることを通して、神様の愛があるということ、全ての命が大切にされているということを証明する歩みへと、私たちは導かれていきます。

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