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10月10日 メッセージより

2021/10/10(日)

2021年10月10日メッセージ「隣人を自分のように大切にする」より

牛田匡牧師

聖書 ローマの信徒への手紙 13章1-10節

 ユダヤ人たちは日々の生活の中で守るべき、何十、何百という数の律法(掟)を持っていました。中でも、最も重要な掟、戒めとしていたのは「十戒(じっかい)」と呼ばれる10の戒めですが、この手紙を書いたパウロは「その他どんな戒めがあっても、『隣人を自分のように愛しなさい』という言葉に要約されます。愛は隣人に悪を行いません。だから、愛は律法を全うするのです」(13910)と断言しています。つまり、これ一つで十分だ、というわけです。

 しかし、「愛」という言葉は、日本語では親子や恋人などの極一部の特定の関係でしか使いませんし、さらにはその関係の中であっても、離婚や虐待や、DVという現実があります。そのような中で「愛」という言葉が語られると、ますます分からなくなってしまうのではないでしょうか。むしろ、聖書に記されているこの「アガペー」という言葉は、「愛する」と訳すよりもむしろ「大切にする」と訳す方が、分かりやすいと思います。「隣人を自分のように大切にする」。たとえ苦手な相手、好きになれない相手であっても、尊重したい。自分が大切にされたいと思うように、相手のことも大切にする。自分がしてもらいたいと思うことを、人にもしてあげる。言葉にすると単純なことですが、その単純なことができるようでありたいと思います。

 しかし、実際には、そんな単純なことができていない自分自身がいます。周りの人を大切にしたい、他人に優しくしたいと思っているのに、できなかったり、自分のことも大切にできないで、自暴自棄になってしまったりすることもあります。過去の傷から目を背けるために、その傷を隠したり、覆ったり、様々なものを身につけ、着飾ったりしています。今を生きている私は、果たして本当の自分自身を生きているだろうか。私が生きている自分と思っているのは、実は「立場」に過ぎないのではないか。私が日々に無意識的にか、意識的にか従っている権威は、本当に神の下にある「本物の権威」なのか。実は見せかけの権威なのではないか。

 私たちにはできることは限られています。時間も力も無限ではありません。むしろ、できていないことや、失敗したことばかりかもしれません。かつて失ってしまった大切なものも沢山あります……。それでも今日も私たちは、最も身近な所で、自分自身とその隣にいる人たちを大切にする歩みへと、呼ばれ、招かれています。「大丈夫、私はあなたと一緒にいる」……、全ての命を祝福し、力を与えられる神様と共にあって、私たちはその歩みへとここから導かれて行きます。

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