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10月16日 メッセージより

2022/10/22(土)
2022年10月16日メッセージ「胸の中へ」より
岡嶋千宙伝道師
聖書 エレミヤ書 31章27-34節
 エレミヤを通して人々に語りかける神。「絶望は希望に変わる。希望が訪れるその日に、新しい契約がもたらされる」 出エジプトの際にモーセを通して与えられたシナイ契約など、これまでの契約とは違って、ここで約束されている「新しい契約」は、人々の「胸の中に」与えられ、「心に」書き記されるもの。それは、絶望的な状況にあって、未来を見据えることができずにかたくなになっていた人々を解き放ちます。新バビロニア帝国による激しい攻撃を受け、土地を失い、生きる糧を失ったユダの人々。一部の人たちは、希望を見出せずに諦めていたかもしれません。「何をやっても無駄だ。どうせ、変えられない。どうせ、変わらない」。あるいは、何とか活路を見いだそうとして、必死に神の救いを求めた人もいたかもしれません。「このままでは、状況が悪くなるばかりだ。自分たちの生活も危うい。命すら失うことになるかもしれない。どうにかしなければ」。
 そのどちらであったとしても、人々の心は固くなっていました。かたくなになり、見失っていたのです。神を、神の創った世界を、そこに住む人間という存在を。それぞれの姿と、それぞれの間にもたらされる関係性を固定化させ、知らず知らずのうちに、自分たちの許容できる範囲に、すべてを閉じ込めようとしていたのです。「新しい契約」は、そんな状態に対してNOを突きつけます。かたくなになった人々の心を解き放ち、固定化された世界、神、人間の姿を揺さぶります。これまでのあり方、常識、当たり前、といった枠にはめられて、がんじがらめになり、動きを止められた状況に風穴を開けるのです。
 それから約600年後、この契約を、別の形で世に示したイエス。当時の宗教的常識、人間の規定する善悪の基準、そんなものを気にせずに、ものともせずに、目の前にいる人たち、とくに、世の常識や社会通念にがんじがらめになって苦しむ人たちのもとに出向いたその人イエス。彼は、自分の身体を通じて人々と交わり、一人ひとりの生の現実を、動きにあふれ、変化に満ちた、一人ひとりの命のあり方をしっかりと見つめ、大切にし、慈しんだのでした。そのイエスは語ります。あなたたちの間に、真ん中に、神の国がもたらされている。これからの日々、この世界が、絶望で終わるのではなく、希望の未来へと進めるように、みなさまと共に、イエスと共に歩み続けたいと願います。

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