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11月13日 メッセージより

2022/11/15(火)

2022年11月13日メッセージ「オオカミが襲わなくなるときに」より

岡嶋千宙伝道師

聖書 イザヤ書 65章17-25節

 三匹のこぶたも、赤ずきんも、オオカミに襲われる。オオカミは、自分より弱い存在を襲うもの。だとしたら、小羊だって襲われて当然。なのに、オオカミと小羊が一緒に食事をするって!?

 「イザヤ書」に記される「新しい天と地」での様子。「創世記」に記されている天地創造の業をなした神が、新しく「創造する」と言われるその世界は、今聞いても、突拍子もなくて、現実味のひとかけらも感じられない。25節において、本来は共存することなどあり得ない正反対の性質を持つ動物が対になって記されているのは、この言葉が語られた当時、人々の間に、大きく深い溝があったからであろう。一方で、40年に及ぶバビロン捕囚を終えて、故郷に戻ることが許され、祖国再建のために意気込んでいる人々。他方で、故郷に留まり、長年の外国による抑圧と搾取、そして差別を経験し、今また見知らぬ人たちの流入によって自分たちの生活環境が壊されてしまうのではと怯えている人たち。

 容易に埋められない溝を前にいがみ合う人々の間で語られる神のメッセージ。狼も小羊も、獅子も牛も、共に生きる。一方が他方を襲うことなく、また、一方が他方に怯えることがない。両者が、同じ場所で同じものを食べる。そんな新しい世界を、神が創ろうとしている。それは、どちらの側にとっても、想定外の言葉。そこにいた誰もが、決して思い描くことのなかった将来の絵図を示す神のメッセージ。

 神は、その新しい世界を、そこに生きる人々を、あらゆる命を、「喜び楽しむ」と言う(1819節)。神によって喜ばれる新しい世界。神に楽しみを与えることのできる人間と生き物の姿。天地創造以来、どの時代にも、どの場所でもなされなかった神の救いの業。新しい世界の創造が、今、始まろうとしている。それは、到底、人間の理解が及ぶものではなくて、人が認識することすらできないもの。「これまではこうだったから、どうせ今回もダメだろう、いくらやったって無駄だろう」、そんな言葉、そんな態度を、一瞬で吹き飛ばす神の救い。

 肉となり、この世に生きた神の子イエスが、その生き様、死に様、復活を通してわたしたちにもたらしたのは、この神の救いそのもの。たとえ今、思い描くことすらできないとしても、確実に、神の救いの業は、新しい天と地の創造は、なされている。神の御子イエスを信じる者として、その世界が現実であることを信じ、今まさしくその世界に変わりつつあることを信じ、これからも歩んでいきたい。

 

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