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4月23日 メッセージより

2023/04/25(火)

2023423日メッセージ「神の前で神と共に神なしに生きる」より

牛田匡牧師

聖書 ヨハネによる福音書 24章 36-43節

 私たちの日常生活のすぐ隣には、戦争や災害などの悲惨な現実があり、「神も仏もあるものか」と言わずにはいられないような状況があります。そんな時、神様にいくらお願いをしても、すぐ戦争が止み、殺された人たちが生き返り、大地震で破壊された街並みが元に戻り、天に召された家族や友人たちが戻って来るなどということはありません。神様はビデオの「巻き戻し」や「逆再生」のようなことはしてくれないのです。「神の前で、神と共に、神なしに生きる」というのは、ドイツの牧師ディートリッヒ・ボンヘッファーの言葉です。彼は、第2次世界大戦中にナチスに抵抗したために逮捕され、39歳で処刑されました。彼がこの言葉を記したのは、獄中という自分の力では状況を変えることが出来ない、無力さに打ちひしがれるような状況の中でした。

 今回のお話では、十字架の死から復活させられたイエス様が、驚いている弟子たちに、「触ってよく見なさい」と言い、さらに魚を食べて見せられました。これらのことから分かることは、イエス様の復活は、夢や幻、思い込みではなく、確かな現実であるということでしょう。私たちに都合の良いお願いを叶えてくれるような神様は、残念ながらいません。しかし「そのような神はいない」という現実の中、それでも尚この世界を創られた神の(もと)、その御手(みて)の中で、全ての者に命を与え、生かしてくれている存在があるということ、死から引き起こされたイエス様が今も日々に共にいてくれています。その事実に信頼して、私たちは歩みを進めて行くことが出来るのだと思います。

 「神の前で神と共に神なしに生きる」。それは、神様に創られ生かされている者として、自分の都合で神を利用しようと求めるのではなく、むしろ神様の求めに従って歩むということでしょう。社会の闇が更に深くなり、絶望がますます拡がってしまっているように感じます。しかし、たとえ「神も仏もあったものか」としか思えなくても、人の目には絶望しか映らなくても、真っ暗闇にしか見えなくても、その中に命の神の復活は秘められています。「闇から光へ」「死から復活へ」。イエス・キリストの死からの引き起こしを覚えるこの時、私たちは「神の前で、神と共に」、そして私たちに利用可能な神を求めるのではなく、神様から用いられるものとして、変えられながら、歩みを進めて行きます。

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