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5月14日 メッセージより

2023/05/20(土)

2023年5月14日 メッセージ「信頼に値するかた」より

水谷憲牧師

聖書 テサロニケの信徒への手紙Ⅱ 3章1-5節

 パウロは「信仰と希望と愛、この3つはいつまでも残る」(コリントⅠ1313)と言う。しかし今や、信仰は金儲けに利用され、若者も老人も希望を持って生きることが困難な社会。最も大いなるものであるはずの愛さえも、欲望や快楽の道具へと(おとし)められている。真面目に生きる者が報われず、ばかを見るようでは、何を信じればよいかわからなくなる。「ルカ福音書」19章で、徴税人(ちょうぜいにん)の頭であったザアカイは人々に嫌われ、嫌がらせをされようとも、決して自分の弱さを見せようとしなかった。彼は、儲けた金で自分のコンプレックスを(おお)い隠した。彼も、人間関係に傷つき、隣人と手をとってゆくことに失望した経験があったのかも知れない。

 本日の聖書では、パウロが「兄弟たち、わたしたちのために祈ってください」(1)と言っている。地中海世界を飛び回りキリスト教徒を育てた指導的なパウロの、実に謙虚な一言。私たちは、祈ってもらってこの問題が解決するなら世話はない、などと思っていないか。それは、祈りを献げてくれる人の思いをふみにじる。「誰かのために祈る」とは、「その誰かと共に生きる」ということなのに。もちろん、祈っても神は何も答えない、という声もあろう。しかし、神は本当に祈りを聞かれなかったのか。私たちが自分で勝手にあきらめて、祈りをやめたからではないのか。

 3節には「主は真実な方です」とある。フランシスコ会聖書研究所の訳では「信頼に値するかた」。神は私たちが問題を抱えている時、必ずその祈りを聞いて下さる。そして、私たちにとって最善の仕方で答えて下さる。子どもに対する母の姿、両親の姿がそのようなものかもしれない。もちろん世の中にはいろんな親がいるが、多くの親は子どもが知っていようと知っていまいと、変わらず子どものために身を削り、子どもの横顔を見ながら幸せな人生を送れるようにとの願いを持っている。そんな私たちの親と同様に神は真実な方、信頼に値する方なのだとパウロは力強く語っている。必ずあなた方を強め、悪い者から守って下さいますと。神がそのように信頼に値する方だからこそ、私は神に祈るのだし、あなた方にも祈ってもらいたいのだと。私たちも、自分は気づいていなくとも、私のことを見ていてくださる神を信頼に値する方だと信じて、早々に失望しあきらめることなく、共に祈りの輪を広げていきたい。

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